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2006/11/27 VOL 12 実写版の世界 |
中年のオッサンがこの場で昔話を語るのも痛い話であるが、まぁ聞いてくだせぇ。 オレの学生時代に流行った幾つかの漫画の一つに「BE-BUPハイスクール」が上げられる。これがまぁ爆発的と言っては大げさだが、そこそこ人気があって少なからず影響されたと思しき人たちが「ボンタン」やら「短ラン」やらを着てた奴等を街中で目にしたものである。 オレはというと漫画こそ読んではいたが、学ランやヘアスタイルに夢中になった、憧れた、ということはなかった。ソコソコの進学学校だった事もあり制服や格好に口うるさいということもあったが、当時のオレはというとBE-BUPのヤンキー世界よりもパチンコとエロスというドロドロとした世界をさまよっていたから、それほど思い入れもなかった。 そういえば最近では、リーゼント姿って人は見かけないよな。それどころか学生服自体をあまり見かけない。なんか小奇麗で知的なブレザーとかになってきて時代の流れを感じずにはいられない。 さて、そんな時代の今日、パチスロの世界でも「昔流行った何とか」という形で新台発表されている。代表的なものでいうと「巨人の星」とか「デビルマン」、「北斗の拳」あたりは一昔前に漫画やアニメで人気があり、少し落ち着いたところでパチスロ「北斗の拳」が颯爽と登場、ゲーム性もあったが、パチスロも大増殖、アニメも再び大人気となってしまった。 そんな事で最近では「昔懐かしのモノを作ればヒット」という考えなのかどうかは分からんが、次々に登場するパチスロ台に遂に「BE-BUPハイスクール」のパチスロも登場した。まぁ、今となっては既に外されてる店が多いんだけど・・・・・。
で、登場した当初、うちの近所の店にも新台として設置されたビーバップ。まぁ、世間でいうところのボッタクリ店と称される大変残念な店で、人が少なく落ち着いて打てるってだけが取柄の店なのだが、新し好きのオレは他に設置されてる店も無いし、何よりどんな演出があるのかと気になって早速打ってきたのだ。 新台入替にも係らず、まるで墓場の様に人気の無いビーバップのシマに行くと、なんとまあビックリ！、8台設置された一番奥のカド台には、「菊永淳一」のようなパンチ姿の人が打ってるのである。 メガネをかけ、ガラガラ絵柄の安モンのシャツをダラッと着こなし、チョビヒゲを生やしたチンピラ風の痩せたオッサン。いや、オッサンかとチラチラ見てたらそんなにオッサンでもなく、若くもないけどそういう風貌のためオッサンに見えるのだ。 （あれっ？、・・・菊永やん！実写版の菊永やん！！） 画面をニラみ付けながら打ってるリアル菊永を見てて激しく吹き出しそうになったんだけど、オレだって大人です。社会のルールとかスロットを打つ上でのわきまえとか少しばかりは分かっている人間です。突然彼を指しながら、うはははははははははっ！って笑うのは人としてどうかしている。ここはグッと堪えて、そいつの隣で打つのもなんだから二つ隣の台へ着席しペシペシと打ち始めた。 （あの人もビーバップに思い入れがあるのかなぁ・・・） （それにしても今時珍しいなぁ、パンチパーマって・・・、久しぶりに見るけどゴルフボールみたいだ・・・） （これで、あの人が長ランとか着てたら・・・・・、ププッ！） もう自分の台を打ってても二つ隣の菊永さんが気になって仕方が無い。ヤツが何かする度にチラチラと見てしまい、まあ何というか、世間でいうウザいスロッターと化していた。 （イカンイカン、気を取り直して集中せねば・・・・・） そう思ってた時にヤツの打ってる台から何やら騒がしい演出が発生しているのがわかった。 （ん？・・・スロット演出か、おっ、順子リーチだな・・・・・・・・、って菊永でハズレてるやん！ププッ！！） 手を止め、黙って事の成り行きを見つめていた菊永、それを見て更に吹き出しそうになったが、ここでヒロシとトオルがハンマーで中リールの菊永をボコボコにし、発展リーチ！ （お〜っ！来るか！遂にボーナス確定か？・・・・・って、ボコボコ面の菊永で止まってるやん！！がははははははははははっ！） その一部始終を見て胸を掻きむしりたいくらいに笑いを堪えるオレ、今すぐ大声を出して笑いたい、このパーラーの中で打ってるみんなに一から説明してやりたい。 演出がハズレと分かると身を乗り出していたリアル菊永が不機嫌そうに台へガツンと一発お見舞い。よほど投資がかさんでいるのか、はたまた何回も同じ演出でハズレているのか分からないが、ドカッと台をドツいていました。 ぷぷっ！ （いやいや、ド突かれたのはオメーじゃねぇか！がははははははははっ！） あ〜、腹痛てぇ、やっぱパーラーって色々なドラマがあるもんだなぁ、と思っていたらリアル菊永が業を煮やしたのか帰り支度を始めてしまった。 （なんだ、もう帰るのか、もう少し観察したかったのにな・・・・・、ん？いつの間にか後に立っている大柄な女性がいるが、彼の彼女かな？） いつの間にかリアル菊永の背後にくっ付く１人の大女。ヤンキー崩れのだらしない格好に身を包み、いかにも虐待か何かで逮捕される主婦の代表のようなソイツを見てオレは驚愕した。 マンモスの妙そっくりやん！がはははははははっ！！！ 世界には自分とそっくりな人間が3人存在するとよく耳にする。血の繋りのない赤の他人でソックリな人を目にした事が一度や二度は誰にでもあると思うが、まさか人類と漫画の世界でもあるとは思わなかった。 笑ってゴメンよ、菊ちゃん・・・・・（郷ミノルより） |
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