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2006/12/2 VOL 13 旅の迷人 in 石川県ハニベ巌窟院


紅葉の季節も終わり、今年も残りあと僅かとなってしまった。寒々とした毎日が続くが皆様お元気でしょうか?

オレはというと相変わらず北斗の拳SEやら秘宝伝あたりでクソのように大負けを喰らい、大きく沈んだ後も未練たらしく5号機なんぞを打っておるが、その5号機にも全く相手にされていない状況である。

まぁ、ここんとこの大負けで久しぶりに一人旅でもしようか、と、フと思って、石川県にある「ハニベ巌窟院」という、まぁお寺なのか神社なのかテーマパークなのかよく分からない場所へ行ってきた。

久しぶりの迷所巡り、スロットによる大負けで傷ついた心を癒そうではないか、たまにはパチスロというドロドロとした世界から離れてみよう、ひょっとして旅の先では、ヒッチハイクをするスケベそうな美女がオレの車が通るのを待ってるかもしれないし。

そう思ってウキウキしながら出かけたのだが、行く道中というのが呆れるほど酷く、山道をウネウネと走るばかりで美女どころか車にも遭遇しない。今にも鬼ババとかが出刃包丁片手に出そうな雰囲気である。

出かけた事を後悔しつつ、途中でパーラーでも営業していればそこで一擦りしようと思ったが、そんなものはどこをどう探しても見当たらない。途中の潰れかかったような茶店でコーヒータイムをとり、泣きながら車を走らせると大きな大仏が見えてきた。どうやら到着したようだ。

入り口には「大人800円」と表示されてて、徴収窓口には映画「八墓村のたたり」に出てきた双子の老婆、「小竹さん、小梅さん」のどちらかにそっくりな老婆が一人佇んでいる。この先には何が待ち受けているのだろう?、早速、料金を払い奥へと進んだ。

入り口を進むと案内板らしきモノがあり見てみると、山の中腹に「地獄の入り口」なるものがあるようなのでそちらへ進む。

ドブのような池に架かる橋を渡り、大口で餌をねだる真鯉達を横目に山道を登っていると、意味不明なオブジェが至る所に散乱。小さな地蔵?のようなモノから猿の親子の像とか、無造作に転がっている。これらが果たして何を意図して造られたのかサッパリ理解できない。
地蔵? サルの親子

山道を歩いていると妙な看板発見!その看板には「女性陰石」なる言葉が。隕石では無く、陰石である。なんですかコレ?その陰石とやらに目を向けるも別に何てことはない。単なるこじ付けと思うのはオレだけだろうか・・・・・?。

自然陰石 ただの岩じゃね?

狐につままれたような気分で中腹まで来ると鐘撞堂が怪しく出現。その周りにはこれまた不気味な人体像が無造作に展示してある。うわー、怖えーと思いながらグングン進んでいくと、仁王像と共にポッカリと口を空けた洞窟発見。

ここが例の地獄の入り口のようだ。一体この中には何があるのだろうか・・・?、どんな秘密が隠されているのか・・・?

不気味な像たち 地獄の入り口

入り口を潜るとあれほど眩しかった昼の光が一瞬で遮断され百鬼夜行の世界へと入る。闇の中で怪しく光る電球だけが頼り。

ヒヤヒヤした空気の中、奥へ進んでいくと地獄の番人と書かれた牛頭(ゴズ)が地獄門への扉を不気味に案内している。どうやらココが地獄の入り口のようだ。

地獄の門番、牛頭

薄暗い洞窟の中を進んでいくと小さな池があった。血の池地獄か?と思い覗いてみると、ビックリするほど透き通った綺麗な池。池と言うよりは水溜りに近いモノだった。

池には腐ったような青い魚のオブジェと、隣には静かに佇む人面魚の模型。不気味だ。しかしよく見てみるとこの人面魚、これって一昔流行ったゲームの、「シーマン」では・・・?

シーマン?

地獄の池にシーマンとは、全くもって意味不明である。大体、こういうものは勝手に作っていいものなのか疑問に思うが、次の瞬間、オレの目の前には人知を超えた、まさにこの世のものとは思えない数々の地獄絵図が出現する。

地獄の晩餐会

地獄の鬼共が晩餐会をしている。色とりどりの鬼共がテーブルを囲み、何やら楽しそうに食べている様子。赤鬼の隣には「人血酒」と書かれた土瓶が置かれ、その横には鬼達が食べているモノが次のように書かれてあった。

「鬼の食卓」
「1、目玉の串刺し」、「2、耳と舌の甘煮」、「3、面皮の青づけ」、「4、人血酒」

恐ろしや・・・、どういう感覚でこれらを造ったのか徹底的に問い詰めたい気分だが、それにしても不気味な鬼達だ。暗闇に突然現れる鬼の食卓。ある鬼は目玉を喰らい、またある鬼は耳や舌を喰らい人血酒を飲む。その姿はまさに地獄、そう、ここはまさに地獄なのだ。

食卓の様子を素早くカメラに収め早々にこの場を退散。こうなったらもう前に進むしかない。恐る恐る奥へと進んでいくと「食物を粗末にした罪」と書かれた看板とともに、腹を杵で一撃で打ち抜かれた人体像とその様子を見ている赤鬼を発見。

恐ろしい・・・。もはや想像を絶する地帯である。

食物を粗末にした罪

ちなみに下の鬼が調理人。怖い

地獄の調理人

打ち震えながら決死の覚悟で歩を進め、フと横を見ると水溜りのような所がある。目を凝らして見てみるとそこには無尽蔵のしゃれこうべが・・・。今にもガクガクと笑い出すような頭蓋骨たち。更に奥には人の溺死体のような模型が横たわっている。地獄だ!

地獄絵図

しゃれこうべエリアをすり抜けると牢獄のような隙間から男女の人体像が出現。相変わらず白くて不気味な人体模型だが何やら様子がおかしい。見ての通り男の方は口から、女の方は左眼からそれぞれ血を流している様子。

説明書きには次のように記されている。

「人をたぶらかした罪」
右:男・・・舌三寸
左:女・・・色目

なるほど、それで男は舌を抜かれ、女は目をくり抜かれているのか・・・。
ここまで来るともはやここの院主による完璧な自己満足の世界が伺えるが、それにしても恐ろしい世界である。あ〜、恐ろしや、恐ろしや・・・。

人をたぶらかした罪

向こうには別の罪があるようなのでそちらに移動。狭い囲みの中には妊婦らしき女性が座り込み胎児を産みながら、何やら食べている様子が伺えます。

「我が子を殺した罪」
*生んでは喰い、喰っては生む。お産の苦しみ。

という謎の言葉。

我が子を殺した罪

更にその横の罪人には、

乱用の罪

「乱用の罪」
*一物重く足腰立たず。

と記されていた。ほう、乱用によってデカくなりすぎたこの人は、常に立っているがそれゆえ立てなくなったという洒落なのか。願わくはこの罪にあやかりたいものだが・・・。

誰が置いたのかイチモツの先端には10円玉が一枚添えられてた。他にもあやかりたい人がこっそりと置いていったのだろう、罪な人だ。

さて、そんなこんなで一通り地獄巡りを終えた訳だが、ここで紹介したものは一部。他にも人の精神をも狂わすような意味不明なものが多数散乱していた。地元の人に聞くと昔は「セクハラ地獄」とか「ノーパンしゃぶしゃぶ地獄」といったものまであったらしい。

地上に出たオレは山の山頂に登り、開けた場所で横たわる巨大な石像を撮影後下山した。

昼寝する仏

ちゃっかりお土産屋まで運営しているハニベ巌窟院、中にはTシャツやらハンカチ、絵葉書など様々なものが売られていた。一通り見て周り、外に出ると地元の人がいたので世間話。

今ある奇怪なモノもインパクト充分であったが、「セクハラ地獄」とか「ノーパンしゃぶしゃぶ地獄」も見たかったなぁ、と話すと、その地元の人が次のような驚愕の事実を教えてくれた。

「2004年11月某日、水子の除霊と、女性にわいせつ行為。巌窟院院主を逮捕!」

これを機に「セクハラ地獄」とか「ノーパンしゃぶしゃぶ地獄」とか、その他もろもろの粋な地獄オブジェが一斉に撤去されたとの事。院の事を書いた小冊子に目をやると1代目院主、2代目院主の顔写真がそれぞれ載っている。

なるほど、限りなく胡散臭い顔をしているご両人だが、地獄を造った院主がわいせつ行為で地獄へ行くのかと思うと最後の最後まで笑わしてくれる所だった。まあ、次の院主にはテレビなんかで大活躍の細○数子先生あたりが良いのではないでしょうか。

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