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2008/05/21 VOL21 旅の迷人in鹿児島県 その2 |
前回までのあらすじ 鹿児島へ旅たったオレ。仕事に追われ、パーラーのイベントに騙され続け、ピンサロでは問答無用で性悪ババァが付くという不幸に見舞われ続け、心身ともに疲れたオレは一人旅に出かけた。 この一人旅がキッカケで失われた「熱いモノ」を見つけようと・・・・・。 街をブラブラと歩き、熟年夫婦の旅行者にシャッターを押してくれと頼まれたりして、オレは一人旅を満喫しつつ、明治偉人達の誕生の地へと巡りまわった。  が、しかし、誕生地って呆れるほど何もないな。どこもかしこも2秒で飽きた。 早々に歩くのが面倒になったオレはパチ屋にでも入って一勝負したろ、とも思ったが、よくよく考えたら、なんで鹿児島まできてパチ屋に入らなきゃいけないのかと思うとバカバカしくなったので、気を取り直して、鹿児島港にある「ドルフィンポート」と呼ばれるエリアに移動した。  ここは食やファッションが一堂に集まるモールみたいで、今、NHKの大河ドラマでも話題の「篤姫」の資料館もあった。とりあえずピヨピヨと徘徊するも、天気が良くないのが影響してか人が少なく淋しい。 近くには水族館もあるようだが、男１人そんなところに入ってもキチガイに思われるだけなので、道路を挟んだ広い公園で１人石像と化すオレ・・・。全然楽しくない。 で、そこでボーッとしていたら、なんか文鳥をデカくしたような見慣れない鳥が沢山いるんだけど、はたしてなんて鳥なんだろう？  スズメに混じって何匹かが地面を突付いているのだが、オレが近づくとスズメ達は飛んで逃げるのに、こいつらは飛ばずに走って逃げやがる。オレがジッとしていると、3ｍくらいまで近づいてくるくせに、エサをやる素振りを見せると途端に走って逃げるのだ。 ハトみたいに慣れきってるわけでもなく、スズメのように極端に警戒しているわけでもない中途半端な鳥達。こいつ等を相手に脅したり追いかけたりして戯れていると、オレのその奇行振りをガン見していたカップルが何故か苦笑い。意味不明の苦笑い・・・・・。 そんなこんなで鹿児島の海を眺めながらベンチで一服をしていたオレだが、時間も16時になろうとしていたのでホテルのチェックインを済ませるためここを出た。うむ、ココでは鳥と遊んだだけ。終っとるな、オレ・・・・・。 ホテルへ移動しチェックインを済ませたわけだが、ホテルのすぐ近くでは怪しげな風俗店らしき店が数店営業し、飲食店が呆れるほど点在しているいかがわしい場所だった。しかし中に入ってみると綺麗なロビーで部屋も悪くなく、むしろ上等なほうであった。 オレは早々熱いシャワーを浴び、もしものためにと股間を入念に洗い、ドライヤーで軽くチン毛にウェーブをかけ、夜の街へと向った。 街には沢山の飲食店が並んでいたが、せっかく鹿児島まで来たので地の物が食べたい。普段、パーラーなんかの隣に併設されているクソ不味い食堂でカツ丼なのかハム丼なのかよく分からないモノを食べているが、こういう時くらいは栄養のある美味いモノが喰いたい。 さんざん迷った挙句、オレは黒豚料理と焼酎を中心とした一店を選び店に入った。鹿児島といえばやはり黒豚を使った料理だろう。角煮や石焼きといった肉料理を次々と注文し、それらをガツガツと喰ったがそのどれもが美味かった。中でも「黒豚の握り」は特に素敵で、この世にこれほど美味いモノがあったのかと感動したほどだ。勿論、焼酎も浴びるほど飲んだことは言うまでもない。 いいかげん酔ったところで会計を済ませたが、まだまだオレは鹿児島の夜を楽しみたい。こんな状況でよく思い浮かぶ事といえば、「パチスロ勝負！」とか挙げられるが、オレはそんな愚かな事はしない。 会社の慰安旅行か何かで温泉などに行くと必ずパチンコ屋に入るたがるヤツがいるが、どういう神経してるんだろうな。旅行に行ってまですることではないだろと思う。こういう単細胞って大体、仕事はサボるわ、コーヒーレディーの生足で大興奮するわ、パチスロのサイトか何かを作って１人大興奮してるわでホント、救いようが無いね。 このまま帰るのもイヤだったオレは、レジにいた店員に焼酎バーみたいな店は近くに無いかと尋ねると、この店員、何を血迷ったかオレにキャバクラなんていういかがわしい店を紹介してきやがった。 オレはバーみたいなちょっと大人な落ち着いた所で静かに飲みたかったのだが、せっかくこの漢が薦めてくれたので、不本意ではあるがその店へと行くことにした。 店に入ったオレはグラスを片手に店のキャバ嬢と会話をしつつ、つまらなかったらすぐに出よう、ボッタクリ料金を突き付けられたらテーブルをひっくり返しダッシュで逃げよう、とシュミレーションをしていた。 数分後、店内で一番はしゃいでいるオレの横に、同じく１人で来てたオッサンに不意に話し掛けられる。 歳は40半ばを過ぎたあたりだろうか。くたびれたスーツを着用し、目はくぼんでクモの巣でも張ってるような感じ。そのしょぼくれた面構えは誰がどう見ても完全にダメな男だと容易にわかるほどだった。 仕方無しにオレが話を返してやると、何か安心したのか次々としゃべりまくってくるこのオッサンは、生粋の薩摩人で月一回のペースでこの店へ飲みに来るらしい。 その後も鬱陶しいくらいオレに話かけてくるのだが、独特の方言と酔って呂律がまわらないのとで半分くらい何を言ってるのかサッパリわからない。 テキトーに返事をしていたらこのオッサン、鮨を喰いに行こうと言い出した。勿論、店のキャバ嬢共を連れて・・・。俗に言うアフターってやつだ。 結局オレは、ラストまでキャバクラに付き合わされ最後にキャバ嬢達と鮨を喰ったわけだが、なんと、キャバクラと鮨の代金は全部このオッサンが払ってくれた。キャバクラでは5万円位、鮨屋で2万円位フツーに払ってた。アンタ神か？  オレは旅初日にして最高のもてなしを受けた。やはり沢山の明治偉人達が誕生した鹿児島は漢がいるなぁ、と思い、約３万円超の飲食代を浮かしたオレは、１人満足しホテルのベットに体を委ね深い眠りについた。 ・・・・・つづく |
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