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2006/10/20 VOL 8 車上荒らしに遭う 後編 |
車上荒らしに遭うという衝撃的な事件を受けたオレ。常人であればショックのあまりしばらくはパチスロをやりたいという気分も湧いてこないだろうし、このままスロなんかヤメてしまう人もいるだろう。 オレもこのままスロを止めてしまうのか、ショックのあまり鬱病にでもなるんじゃないか、と思ってたが、自分でもビックリするくらい次の日には普通に打ってた。車上荒らしに遭った事なんてまるでなかったように・・・・・。狂ってる。 それでまあ事件があって2日後のこと。ちょっとトイレでブリブリとウンコをしていたら、突然、オレの携帯電話が鳴り響いた。画面を見ると見慣れない番号が表示されている。 (誰だろう?、・・・ひょっとして車上荒らしのヤロウが盗んだバッグの中からオレの手帳を見て脅迫電話でもかけて来たか?・・・・・いやいや、そんな事はしないだろう。) そんな事を考えドキドキしながら電話をとった。すると、 「○○交番ですけど、あなた○○さんですか?」 と、交番と名乗る警察らしき人物からの電話でした。 「ハイ、そうですけど・・・ (オレ、何かやったかなぁ?) 」 お巡りからの突然の電話にビックリ。どうして交番から電話が???、何かやったかなぁ?ん?ひょっとして警察をかたった詐欺電話か?、もう快調に出てたウンコも止まってしまい気が気でない。 「実は、あなたの運転免許証等が入ったハンドバッグが用水に捨てられてましてね、家のほうに電話を差し上げたら、この電話番号を教えてもらった次第です」 なんとまあ、車上荒しで盗まれたバッグとその中身が見つかったというではないか。どうやら詐欺電話とかではなく正真正銘の警察からの電話のようです。 「今すぐそちらへ行きます!」 車上荒しによって盗られたモノが見つかったという事実を知ったオレは颯爽とトイレから飛び出し連絡のあった交番へ行った。3人程いたお巡りに数日前に起こった事の成り行きを説明し、机に並べられたバッグの中身たちを確認した。 「そこの田んぼの用水に流れ着いてたよ。多分、捨てたのは上流のこの辺りですね。まあ、こういった犯人は、お金を引き出した後、指紋等が分からないように川など水辺とかへ全て捨ててしまいますからね、うん。あっ、手帳とか紙類のものは乾かしておきましたよ」 そう言ってニコニコ笑う一人の女性お巡りさん。なんだよ意外に優しいんだな、やっぱりゴツイ男性警察とは違うな。つんけんとしたイメージがあったけど手帳とか濡れた物を乾かしてくれてたなんて、ホント、あんた抱いてやりたいよ、と思いましたが、女性警察官が手にしてた紙を見て肝を冷やした。 (あっ、それ、風俗娘の名刺!) うわー、や、やめて、そんなにジロジロ見ないで・・・・・。それは貰ったものだよ、そんな店知らない、と声を大にして言いたかったけど言えない。ただただうつむくだけ・・・。めちゃくちゃ恥ずかしい・・・・・。 そんな事もありながら数日後、オレは管轄の警察署へと向った。バッグやら免許証等、盗られたモノは一通り手元に帰ってきたが、引き出された金の件で被害の証明書みたいなもの貰うためだった。 これは何に使うかというと、税金の申告に使うためである。自営業者は毎年、確定申告をやるし、サラリーマンでも高額医療費などを払った人などはこの確定申告をすると収めた税金がいくらか戻るケースがある。 オレも普段はサラリーマンをしていますので確定申告には無縁の人間なのだが、今回の車上荒しであった被害金額、これを、「雑損控除」というもので被害申告をすると少しばかりではあるが税金が戻ってくる事が分かった。盗られた金額全部ではないが、少しでも補填ができればと思い、警察署へと向ったのだ。 初めて入る警察署、どこか重苦しい空気が流れ殺伐としたイメージが自分の中ではあったが、意外や意外、窓口の警察官や周りにいた警察官たちは皆、親切で丁寧に対応し、とてもフランクでした。 で、窓口で「二階の刑事課へ行ってください」と言われたので、“関係者以外立ち入り禁止”と書かれた看板をすり抜け、二階の刑事課へ向うべく階段を上がった。 (刑事課かぁ・・・。そういえば初めて見るなぁ本物の刑事って。どんな人たちがいるんだろう?) テレビなんかでは面白くするためにカッコイイ刑事たちが拳銃をバカスカ撃ちまくるような演出がされているが、実際の刑事を見るのは初めて。もう興味津々で刑事課という所を訪ねた。 そしたら、まず最初に目に入ってきたのが、中年で上半身裸の大男が洗面所で顔を洗ってるんですわ。いきなり殺人犯降臨かよ!とも思ったが、制服を着たお巡りと親しげに話している所をみるとどうも刑事の一人のような様子。なんなんだこの威圧感、上半身裸の中年のオッサンが顔を洗ってるだけでこのオーラ。あんたラオウか。 オッサンとなるべく目を合わせないように刑事課の中へ入り、書き物か何かの作業をしている一人の刑事らしき人に声をかけた。作業の手を止めコチラを見る刑事、その眼差しの鋭い事にオレは底冷えした。どうしたらそんな目つきができるのか不思議なくらい、まるでサメのような目つきでオレを見るのである。 「あぁ、あなたね、連絡は聞いてるよ。じゃぁ、チョットあっちの部屋へ行こうか」 そう言いながら小汚い狭い部屋へと案内するシャーク男。部屋の中には小さな机と椅子が二つ。窓には鉄格子のようなものが施されている。・・・って、ちょっ、ここってまさか犯人を自白させる取調室じゃないのか??? 囚人になった気分でシャーク男の話を聞くオレ。なんだか説教染みたウンチクを色々と言ってくる。なんで車の中に置きっぱなしにしてたのか、とか、見えるところに置いとくなんてダメじゃないか、とか、貴重品は持ち歩かなきゃダメだぞ、とか・・・・・。 そのあまりの気迫に恐れ滅入ったオレはただただ平謝り。ハイ、スイマセン、あっ、スイマセン、被害に遭ってしまってスンマセン、と、まるで泥棒に遭ったオレが悪いかのように、まるで犯人かのように普通に謝ってた。なんでやろ? バカ野郎!車上荒らしに遭って金まで引き出され、わざわざ警察署まで出向いてきたというのにどうしてオレが謝らなきゃいけないんだ!! 口惜しい・・・・・、あまりに口惜しくてその日オレは眠れなかった。 |
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